家計簿20冊を比較してわかった。ホントに分類すべき支出14項目
家計簿によって記録する粒度がちがい、どの家計簿が正しく家計を管理できるのだろうと疑問に思ったことはありませんか。
そもそも、家計簿で家計を管理する方の多くは、家計簿の情報を元に「家計の見直し」をしたいからではないでしょうか。
裏を返せば、「家計の見直し」ができる形で家計は記録する必要があるのです。ここでは「家計の見直し」に適した家計の管理方法をご紹介します。
支出の把握
支出の把握は一ヶ月間の全支出を記録し、それを支出の内容ごとに分類することで行います。
全支出の記録の方法は家計簿やスマホアプリ、PCソフトと多様にあり、その人にあう方法はまちまちだと思いますのでここでは割愛し、支出の分類方法について説明します。
固定費と変動費での分類は不要
支出は「固定費」と「変動費」に大別することが出来ます。
「固定費」とは、支出の発生が定期的で、金額がほぼ固定している支出のことです。
「変動費」とは、支出の発生が不定期、または金額が大きく変動する支出のことをいいます。
家計の支出を把握する場合、たいていはこの「固定費」と「変動費」に分け、さらに分類していく方法が用いられますが、固定費/変動費に分類する方法はあまりオススメしません。
オススメしない理由は次の2点です。
1.明確に分類することが難しい支出が多数ある
例えば「水道光熱費」これは固定費/変動費のどちらでしょうか。水道ガス電気は必ず使うものですので、固定費の要素である「支出の発生が定期的」というのは当てはまります。ではもう一つの要素である「金額金額がほぼ固定」はどうでしょうか。季節によって大きく変動するご家庭もあるでしょうし、一年を通してほぼ一定のご家庭もあると思います。
電話代とかの「通信費」も同様の考えが当てはまります。これは固定費/変動費のどっちだろう?と悩んでしまい、分類が進まなくなってしまうと本末転倒です。
2.見直しはもう一段細かい粒度の分類に対して実施する為、分けること自体が無意味
家計の見直しは固定費/変動費という粒度では行いません。もう一段階(もしくは二段階)詳細な粒度で行います。家計の見直しさえ達成できればよいのですから、不要な粒度で分類する必要はありません。
「年払い」の支出の扱い
支出の記録をする際、注意が必要なのが「年払い」の支出です。「年払い」の支出には、次のようなものが存在します。
税金:固定資産税や都市計画税など
保険料:自動車保険や医療保険など
情報メディア費:新聞代やNHK受信料など
※上記は指定している払込回数により、月払いの場合があります。
家計の見直しは、まず始めに月々の支出を対象とするのが基本です。その為、これら「年払い」の支出を月々の支出として取り扱ってしまうと、ベースとなる月々の支出が正しく把握出来なくなります。
そこで「年払い」の支出については以下のいずれかで取り扱うようにしましょう。
1.月払いとして扱う(月々の支出に組み込み)
「年払い」の支出に対して、毎月積み立てして支払を行う計画とする場合、12ヶ月で割って、月々の支出に組み込んで下さい。
2.年払いとして扱う(月々の支出に組み込まない)
「年払い」の支出をボーナスや貯蓄から支払う計画とする場合、月々の支出に組み込む必要はありません。
支出の分類14項目
前述の通り固定費/変動費という分類は、ことに家計の見直しに限っては不要であり、支出の内容、特性に応じて分類します。以下はその項目と具体的な支出内容を表にしたものです。
項目 | 具体的な支出例 |
住居費 | 住宅ローン、家賃 |
通信費 | 回線利用料、プロバイダー利用料、関連機器レンタル料、固定/携帯電話料金 |
マイカー費 | 自動車ローン、駐車場代、ガソリン代 |
水道光熱費 | 水道代、電気代、ガス代 |
情報メディア | 新聞代やNHK |
食費 | 外食を除いた食費 |
教育費 | 学校授業料、習い事代 |
医療費 | 市販薬購入を含めた医療費 |
保険料 | 各種保険料 |
物品購入費 | 衣料品や雑貨の購入費 |
娯楽費 | 外食や旅行の費用 |
交際費 | 冠婚葬祭などの費用 |
税金 | 固定資産税、都市計画税 |
借金返済 | キャッシングやショッピングなどのローン返済 |
上記の表の通りに分類出来れば、支出の把握は完了です。
収入の把握
収入は支出とは違い、日々記録する必要がない為、容易に把握することが出来ます。
たいていの人は収入の種類自体も少ない為、支出のように分類せず、全収入を列挙する方法で収入を把握しましょう。一般的な会社員の家庭の収入の種類としては、多くても「給与」、「金融商品利益」、「年金」、「児童手当」の4種類程度です。
なお、「金融商品利益」については月々の変動が大きい場合、収入として組み込まない方が家計見直しは上手くいきます。
収入と支出の把握が終わったら
収入と支出の把握が出来た時点で、おおまかな家計の状況がわかるようになります。家計の状況を理解したら当面の目標を立てましょう。
収入よりも支出の方が多ければ当然家計は赤字ということになりますので、当面の目標は「赤字解消」となります。
赤字家計でなければ、一般的には将来に向けて貯蓄が必要ですので「月々の貯蓄目標額の達成」というものが当面の目標となります。
そして、目標を立てることで初めて「支出の削減の必要性」を判断し、「支出削減目標額の設定」ができるようになるのです。
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